2009年10月30日 のアーカイブ

ルーズベルト島

2009年10月30日 金曜日

私の26年間のニューヨーク暮らしで、最期の8年間を過ごしたのが、このルーズベルト島。マンハッタンとクイーンズの間を流れるイーストリバーに在る島で、マンハッタン地区の1部なのです。

この島は、過去に3回も名前を変え、嘗ては刑務所、精神病院、サナトリウムと隔離された島でした。その島をニューヨーク州が市から借り入れ、名前もルーズベルト島として、住宅を建設したのです。

島自体が、まるで公園のように緑に囲まれた、全長3キロの細長い島には、真ん中に大きな道路が整備され、道の両脇に19?25階建てのビルが建ち並んでいます。島には小型のバスが循環して、とても静かで良い所です。

とは言うものの、当初はこの島に、上、中、下階級の人が一緒に暮らせるような環境を作る試験材料的なものだったらしく、まず、プロジェクトと呼ばれる、生活保護を受けている人達や、ハンディキャップを持つ人達が住む、アパートのビルが作られました。有名な建築デザイナーに設計を依頼したこのアパートは、低所得者が住むアパートとは思えないくらい今でも綺麗です。

その後、通りを挟んで、中所得者が入居できるビルが建築されました。約30年前の事です。ここに住む人達は、所得が上・下限度額が決められ、毎年書類提出が義務付けられていますが、24時間ドアマンも要るし、急に家賃が跳ね上がる事もなく、日本で言えばURみたいなところですから、入居希望者が後を絶たず、3年は待つ事になります。

それから15年ほどして、北側に高所得者が住むビルが建設されました。家賃の45倍の年収がなければ、入居出来ないビルです。ビルの中にはジムもあり、勿論ドアマンも常駐しています。

そして、つい最近、アメリカバブル最盛期に、超高級コンドミニアムが、6棟ほど新設されました。ジムやランドスケープ、キッズ・ルームなどが付帯しているこのコンドミニアムの住人には、島始まって以来ペットとして犬が住む事が許されました。この島は猫はOKだったのですが、犬は駄目だったのです。

以前は、この島への公共アクセスはトラムと呼ばれるケーブルカーのみでした。マンハッタン、2番街の59丁目に駅が有り、わずか数分の空中散歩ですが、夜景は抜群なので、良くTVの撮影隊が乗り込んで来る事もあります。そうそう、映画「スパイダーマン」が、最期に悪と戦うのがここなんですよ。

今は、地下鉄もありとても便利です。おまけに川の中にあるので、マンハッタンの喧騒が全然聞こえず、しかも、空気も良くて涼しいんですよ。

島の周りには遊歩道が有り、ウォーキングには最適!春には約150本の染井吉野が花を咲かせ、それが散ると200本の八重桜が開花するのです。1月は、桜を楽しむ事ができるんですよ。

トラムは、地下鉄のカードで乗る事ができます。($2.00)

夜景見学、お花見、ちょっと出かけて見ませんか。島には、映画館以外は何でも揃ってますよ。