2009年11月12日 のアーカイブ

思い出のサンフランシスコ

2009年11月12日 木曜日

と言っても、歌ではないですよ。(笑) かつて私が暮らした、故郷の博多に似た小さくて綺麗な街の思い出です。

最初に訪れた1977年。建国200年祭が終わったばかりの街並みには、様々にペイントされた消火栓が目を引きました。ワインで有名なナパに住む友人を訪ねて、たった一人でグレイハウンドに乗った事は、忘れられません。帰りのバスは、乗客が私一人と言う恐怖の状況で、ゴールデンゲイト・ブリッジを渡る頃には雨が降り出すという最悪さ・・・

「ホテルは何処?」と、ドライバーに聞かれた時は、飛び上がりそうに驚きました。今日は雨だし、君一人だからホテルの前まで送ってあげるよと、超大型チャーターバスは、ホテルの前に横付けになったのです。嬉しかったですね、アメリカ人のポスピタリティを、改めて感じました。

1981年からの2年間は、サンフランシスコのど真ん中に住んでいました。1日で四季があるこの街は、夜の8時から翌朝の8時まで、真夏でもヒーターが入るのです。あの頃は、超有名高級ホテルでも、エアコンの無い所が多かったんですよ。

5時を過ぎると肌寒くなってくる街中を、毛皮のコートを着た品の良い双子の老婆が毎日散歩するのを見るのも、楽しみの一つでした。

有名なユニオン・スクエアも、あの当時は暗くなると危ない場所だったし、地下の駐車場は、怖くて行けない場所のひとつでした。今では、周りに高級ブティックが集中して、まるでニューヨークの5番街かSOHOみたいですね。そう言えば、その当時はメイシーズは高級デパートだったんですが、ニューヨークに移って、庶民的というかむしろ低価格のデパートだと言う事に、驚いてしまいました。処変れば品変るって、この事ですよね。

ブッシュ、パインと続くストリートを、密かに松竹梅通りなどと呼んでは、ほくそ笑んでましたよ。ブッシュから始まるチャイナタウンにも良く行ったものです。半チャンラーメンと言う、チャーハンとラーメンがミニサイズで出て来るランチは、1.99ドルチップを入れても2.25ドルには、お世話になったものです。

ニューヨークに移った時に、物価の高さに驚きました。東京と博多の差でしょうか?東京に住んだ事のない私としては、驚きの連続でしたね。

サンフランシスコと言えば、ゴールデンゲイト・ブリッジとパーク、フィシャーマンズ・ワーフが有名ですが、もしお時間があればサルサリートにも、足を延ばして頂きたいですね。勿論、ゴールデンゲイトブリッジを渡って行けますが、ダウンタウンのフェリーターミナルから橋を眺めながら湾を横切るのも素敵ですよ。

1960年代から風景の美しさと独特の光の柔らかさに見せられたアーティスト達が移り住むようになって、アートギャラリーやクラフトの店が沢山あります。近年は、其れに加えて、ちょっと変ったと言いますかオリジナリティに溢れたブティックも多く点在していますよ。私は、グラスの小物に魅せられました。

もう10年も訪れていないこの街ですが、機会があれば是非もう一度ゆっくり滞在して見たいですね。自分が住んでいた時には見えなかった何かが見えてくるでしょうし、10年間で変ったところも一杯有るでしょうから・・・